商店街の入り口や駅前に設置されたLED看板。明るく目立つその光は、一瞬で人の目を引きます。しかし、ただ目立つだけでは、実際の「成果」──たとえば来店や購入にはつながらないことも多いのです。
「せっかくお金をかけて広告を出稿しているのに、あまり効果がない…」
そんなお悩みをお持ちの方にこそ読んでいただきたいのが、この記事です。
本記事では、徳山駅周辺のまちづくりを推進する「株式会社まちあい徳山」が、LED看板の活用において“成果につながる”ために大切にしている5つの工夫をご紹介します。
LED看板は「目立つ」けれど、それだけじゃ足りない
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情報の「伝わり方」に差が出る理由
LED看板は「光って動く」という特性から、多くの人の注意を集めやすいメディアです。しかし、注意を引いても「何を伝えたいか」が明確でなければ、人はすぐにその情報を忘れてしまいます。
たとえば、派手な演出で「〇〇セール開催中!」とだけ表示しても、日時や場所、対象商品がわからなければ、見た人は行動を起こしにくいのです。
工夫①:表示内容は「ひと目で理解」できるように
LED看板は歩きながら、運転しながら、つまり「ながら見」が基本です。そのため、表示する情報は一目で理解できるものに絞ることが大切です。
・文は短く、5〜7文字程度を目安に
・伝えたいことは1つに絞る
・専門用語や略語は使わず、誰でもわかる言葉で
「LEDは光るし、動きもあるからなんでも伝えられる」と思いがちですが、実は“伝える情報を絞る”ことが、伝わる第一歩なのです。
工夫②:「広告の次のアクション」を考える
LED看板は“入口”です。
でも、そこから「検索してみよう」「行ってみよう」「問い合わせしてみよう」と行動につなげてもらわなければ、意味がありません。
行動につながる広告には「導線」がある
広告を見た人が次に何をするかを想像して、表示内容を組み立てましょう。たとえば…
「今週末は徳山夜市!」だけで終わらず
➡「詳しくは“徳山夜市”で検索」と一言添える
「今月オープン!新感覚スイーツ店」だけで終わらず
➡「インスタで『#徳山スイーツ』をチェック!」と行動を促す

このように“次のアクション”のヒントを添えることで、見た人がより深く情報を得られます。もちろん、検索した時にサイトがきちんと上位に表示されること、サイトの掲載情報がわかりやすいことも重要です。
アクションの「ハードル」を下げる工夫も大切
特にスマホに不慣れな方にとっては、「検索」や「SNSのハッシュタグ」が難しい場合もあります。そこで、以下のような対策も有効です。
・QRコードを表示し、スマホカメラで読み取れるようにする
(※表示時間に余裕を持たせるのがポイント)
・電話番号を記載し、「お電話でも予約OK」と明記
・店名・イベント名などを、検索されやすい表記にする
ただ目立たせるのではなく、「行動」につなげるための一工夫。これが、広告の効果を何倍にも高める秘訣です。

工夫③:季節や期間に合わせて広告の内容を変える
LED看板は、同じ場所に設置されていても、季節やイベントのタイミングによって、見る人の関心やニーズが大きく変わります。だからこそ「今、この時期だからこそ伝えたい情報」に合わせて、内容を変えることがとても重要です。
「今しかない情報」に、人は目をとめる
人は「限定」や「期間限定」という言葉に弱いものです。
たとえば──
春:「卒業・入学祝いに。記念写真キャンペーン受付中」
夏:「冷やし〇〇、はじめました!」
秋:「ハロウィン限定メニュー販売中!」
冬:「今年も登場!あったか肉まん100円引き(1月末まで)」
季節感や時期に合った情報を打ち出すことで、「今しかない!」という気持ちを生み、来店や問い合わせといった行動につながりやすくなります。
このように、「いつ、どんな人に、どんな気持ちで見てもらうか?」を意識した時期ごとの内容変更は、LED看板の効果を高める大きなカギです。
工夫④:「動き」と「色」の使い方に注意
LED看板の魅力は、「光る・動く・色が変わる」ことにあります。しかし、この特徴を活かしきれず、逆に“見づらい・伝わらない”表示になってしまう例も少なくありません。
目立てばいい、派手にすればいい──というわけではないのです。
見づらいLED広告のよくある失敗例
- 文字が点滅しすぎて目がチカチカする
- スクロールが速すぎて読めない
- 背景と文字の色が似ていて読みにくい(たとえば赤地にオレンジ文字など)
こうした表示は、特に高齢者や視力が弱い方、デジタル機器に慣れていない方にとっては、「なんだかよくわからないもの」として処理されてしまいます。
見やすく伝わるLED表示のコツ
項目 | 推奨される使い方 | 理由 |
---|---|---|
文字サイズ | 大きめ、かつ太字で | 通行中でも読みやすくなる |
色の組み合わせ | 白地に黒文字、黒地に黄色文字など | コントラストが高いほど視認性アップ |
動きの速度 | ゆっくりとスクロール(1行2秒以上) | 最後まで読める余裕が生まれる |
表示の長さ | 短く、1画面に1メッセージ | 読みやすく、記憶に残る |
目立つ=伝わる ではない
重要なのは、「読んでもらえるか」「理解してもらえるか」。
LED看板広告の持つ「派手さ」「動き」は、うまく使えば大きな魅力になります。
しかし、“誰に、何を、どう伝えるか”という視点で、あえてシンプルに設計することが、効果的なLED広告のカギなのです。
工夫⑤:「効果測定」を忘れずに
LED看板広告も、出稿した後に「反応を見る」ことが大切です。
具体的な測定例
・来店時の「何を見て来たか」アンケート
・LED看板広告で表示したクーポンの利用数
・時間帯ごとの通行人の反応(撮影や観察)
こうしたデータをもとに、表示内容を改善していくことで、「目立つだけ」から「成果につながる」広告に成長していきます。
まとめ:「LED看板は地域との対話メディア」
LED看板は、ただの“デジタルなチラシ”ではありません。通行人との“コミュニケーションの入り口”なのです。
まちあい徳山は、LED看板を通じて、地域の店舗・イベント・人々の魅力をより多くの人に伝えるお手伝いをしています。
目立つだけでなく「伝わり」「行動につながる」LED広告の実現に、これからも取り組んでいきます。